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井上総司/ANTIFA

津島佑子『狩りの時代』

まず驚くべきなのはこの遺作となった作品、特に障害者に対する差別を主題とする作品が、2016年のやまゆり園事件以前に書かれたということだ。それを受けて書かれたのではない。それが起こる以前に書かれたということ。それはつまりこの作家が、如何に時代の…

マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』

この世界に外部はないし、この先も後もない。ただひたすらに今ここが、平坦に、フラットに、滑らかに続いていく。そのような今。フィッシャーはそれを「資本主義リアリズム」と名づける。 抵抗がある。それは商品として売られている。快楽がある。それは商品…

2011年3月11日以後

ブログの方にもアップしてたかなと思ったらアップしてなかった、2021年の3月11日にFacebookに上げた文章を改めてこちらにも上げておく。3.11以後をどんな風に生きたか。91年に生まれた個人の私的な記録として。 10年前の3月11日、僕は山口に帰省していた。大…

2022年変わったこと、しかし継続もしてるように思えること

2022年がどのような年であったか。自分の考えが変わった、というよりは重点を置く場所が少し変わったと思う。しかしそれはまた恐らく2011年からずっと継続しているある種の衝撃の新しい展開であり変状でもあるとも思う。新しい。しかしあまり変わってないと…

安倍の件に関する雑感

7/8は夕方ごろ家に着いた。LINEをチェックし、友達から何やらきており、開けてみて、安倍が撃たれた、もうネットでは犯人は〇〇人とか出てる、在日関連の勉強会するのに不安あるので警備に来てくれんか?とあった。そこで初めて安倍が撃たれたことを知った。…

メッザードラ「戦争から脱走する」へのコメント

戦争から脱走する/サンドロ・メッザードラ http://www.ibunsha.co.jp/contents/mezzadra01/ イタリアの左翼によるウクライナ侵略に関する論考。左翼であるならばかくあるべし、といったいったところ。「プーチンの戦争」を政治的、経済的側面から分析し批判…

雨宮純『あなたを陰謀論者にする言葉』

陰謀論が左右を横断して組織化されつつある。一つの政治勢力として国境を越え形成されつつある。そのように感じる。しかしそれは何も急にどこからか降って湧いたものではなく、これまでも左右の政治イデオロギーにそれぞれに伏在していたのだろう。それが特…

小泉悠『「帝国」ロシアの地政学』

現代ロシアがどのような秩序観をもとに、どのような軍事戦力を展開しているかを分析した著作。今回のウクライナ侵略が、どのような文脈において、何故発生したのかを理解するのに非常に役に立った。 そもそもロシアの主権観は、私たちが通常理解しているよう…

noteから移動その7

安倍首相辞任に際して4総志2020/08/28 18:21 安倍晋三の辞任に際しての備忘録。まとまりには欠けるが、一つでも多くあるべきものだと思う。多くの人が、安倍が辞めたで「へーそうなんだー」で終わらず、少しでも主権者として何か言える社会こそが、健全な社…

noteから移動その6

「命の選別」は政治ではない7総志2020/07/07 19:23 れいわ公認候補の大西つねきが7月3日、自身のYoutubeLiveにて「命の選別」こそ政治だという旨の発言をした。 大西はその動画内にてこのように語っている。 どこまで、その高齢者を長生きさせるのかっていう…

noteから移動その4

massive #0530渋谷署前抗議4総志2020/05/31 04:50 2020年5月30日、渋谷警察署の警官による、クルド人男性に対する差別的な暴力行為に抗議するデモが行われた。 僕自身は京都に住んでいるため、その場には行けませんでした。なので、ここではいくつかのまとめ…

noteから移動その3

警察とヘイトクライム #0530渋谷署前抗議29総志2020/05/30 05:41 まずは以下のリンク先の動画を見ていただきたい。 Deniz Yenginwww.facebook.com フリージャーナリストの樫田秀樹氏(Twitter: @kashidahideki)のツイートによると、この動画は2020年5月22日…

noteから移動その1

自己紹介6総志2020/05/29 04:08 総志と言います。読みは「そうし」です。もっぱらリアルとネットで、ヘイトデモに対するカウンター・プロテストを行っています。別段左翼でもなく(何らかの政党や党派、政治団体には属したこともなく、また今後も属したくな…

辺野古のこと

去年の4月末に辺野古に初めて行った。那覇から辺野古までバスで移動、思った以上に遠かった。途中バスの車窓から、夕暮れに暮れなずむ米軍基地のフェンスをずっと眺めた。当たり前のように途切れることのないフェンス。その中に点在する嘘くさい小綺麗さの米…