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井上総司/ANTIFA

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警察とヘイトクライム #0530渋谷署前抗議
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総志
2020/05/30 05:41 まずは以下のリンク先の動画を見ていただきたい。

Deniz Yenginwww.facebook.com

 

 フリージャーナリストの樫田秀樹氏(Twitter: @kashidahideki)のツイートによると、この動画は2020年5月22日の13時ごろに撮影されたもの。(https://twitter.com/kashidahideki/status/1264185548337410048?s=20)以下、更にその時の状況をクルド人男性から聞き取った話。

 「本人からの話は以下の通り。→場所は六本木六本木周辺。歯医者に行くため運転していて左折するためにいったん停車した時、目が合った警官に「お疲れ様です」と挨拶。すると、警察車両が後をついてくる。そこで男性は車を停めて、警官に「なぜついてくるんですか。私は歯医者に行く途中です」と説明。続」(https://twitter.com/kashidahideki/status/1264185550174482432?s=20

 「ところがその後も警察車両は後をつけてくる。そこで再び車を停め、警察に「何ですか。歯医者に行くだけですよ」と説明。近寄ってきた警官がマスクしていなかったため「近くに来ないでください」と言ったら、警官が「俺に勝つつもりか」と、そこから映像通りの行為が始まった。続」(https://twitter.com/kashidahideki/status/1264185552460365824?s=20

 「その間、同乗の友人2人は車外に出してもらえず、この行為を撮影したら、警官がやってきて(映像最後)何本か撮影した映像を消された。威圧行為は15分くらい続き、男性は首を掴まれたり、足を蹴られるなどの行為を受けた。その後病院で「捻挫」などの診断書ももらったとのこと。続」(https://twitter.com/kashidahideki/status/1264185554624671744?s=20

 「より詳しい情報を欲しいところだが、少なくとも何ら犯罪行為を犯していない外国人に、なぜここまで威圧的行為に及ぶのか。男性は近いうちに弁護士に相談したいとのこと。」(https://twitter.com/kashidahideki/status/1264185556147138564?s=20

 さらに suzuki #0530渋谷署前抗議(Twitter: @dabbawalasuzuki )さんの聞き取り。

 「クルド人が警官から暴行を受けた件で当事者から聞き取りました。場所は明治通り、広尾付近、管轄は渋谷警察署です。警察がついてきたから文句言って去ろうとしたらサイレン鳴らして止められて数十人の警察が来た暴行受けたそうです。当事者に違反はなかったそうです。
土曜日渋谷でデモやります。」(https://twitter.com/dabbawalasuzuki/status/1264443634230808576?s=20

  聞き取り可能な範囲で,、最初の動画を文字にしておく。

 0.09 警官A「そこ、そこでねぇ、手ぇ(腕とも聞こえる)回したから(不明瞭)」

 0.12 クルド人男性「なんもないから」

 0.14 クルド人男性「いや触らないで!」

 0.15 警官A「触るに決まってんだろ!」クルド人男性「なんもしてないじゃんじゃん!」

 0.17警官B「(聞取り不可。怒鳴り声)」

 0.18クルド人男性「や、なんもしてないじゃん!」警官A「(聞取り不可)に決まってんだろ」

 0.20警官A「手ぇあげたら暴行(聞取り不可)」クルド人男性「や、なんもしてないじゃん」

 0.23警官A「(繰り返し)力入れるな、力入れるな」クルド人男性「や、いいから、おっけー(不明瞭)、折ってるんで」

 0.32クルド人男性「いや、ちょっと話聞いて。いや、じゃあ、左止まる、左止まるから待ってて」

 0.36警官A「じゃあ座れ!座れ!」クルド人男性「(聞取り不可)動画撮ってる」警官A「(繰り返し)「座れ!座れ!」クルド人男性「いや、なんもしてない、なんも」

 0.40警官B「(物凄い勢いでクルド人男性に接近、威圧的に体を密着させクルド人男性の体を押しながら怒鳴る)座れよおい!」クルド人男性「なんもしてない!」

 0.42警官B「(クルド人男性の内もも、脛付近に蹴り、同時に胸倉を掴んで自分のほうに引っ張る。クルド人男性体勢を崩し地面に右ひざをつく)」クルド人男性「なんもしてないじゃん!」警官B「おら!いい加減にしろおら!」(その間警官Aは足を使ってぐっとクルド人男性を押さえつけている。)

 0.47警官B「(クルド人男性に顔を脅すように近づけながら)なめんなよおい!なめんなよ!」

 0.50警官B「(クルド人男性の首をヘッドロックするような形で揺さぶりつつ)なめんなよおい!」

 0.53警官B「(クルド人男性が動画を撮っている同行の者に話しかけるのに反応して、再び首をヘッドロックするような形で揺さぶりつつ)黙れおい!」

 0.54警官B「(ヘッドロックのような形で強くクルド人男性の首を拘束しつつ、顔を先ほどよりも更に近づけて)喋んなおい!」警官A「(カメラのほうを向きながら、写っていない別の警官?に向けて)状況(不明瞭)ある?」写っていない別の警官?「ない!」警官A「携帯(不明瞭。現逮ともきこえる)、それ、撮ってない?(取ってない?)」

 1.01写っていない別の警官?「それ(撮影者の)携帯取ってそれ」警官B撮影者に近づく。動画終了

 手塚空さん(Twitter: @aibery)の聞取り文字起こしも。

「警視庁の暴行傷害現場(5月22日)

 警「座れ!」
 男性「何もしてないじゃん」
 警「座れよ! 座れ!」
 (右側の警官が男性を蹴る)
 男性「何もしてないじゃん!」
 警「座れって言ってんだ」
 (路上に跪かせる)
 男性「痛い痛い」
 警「おい。いい加減にしろコラ!」

 ※FBより転載。問題あれば消します」(https://twitter.com/aibery/status/1264393425274564608?s=20

 さらに別の動画も。(樫田秀樹さんのTwitterより)


 この動画では、通行人が、警官に取り押さえられるクルド人男性を見て、「ヤバい」「こいつウケる」「ヤバくない?」と言う声、そして笑い声が入っている。クルド人男性は撮影者のほうを向いて、「助けてください!」「動画撮ってください!」と助けを求めるが無視される。それに対して、威圧的に「黙ってろ」「パトカー(不明瞭)で動画撮ってんだよ」と言う警官Aの姿も写っている。

 さて、どのようにお感じになられたであろうか。あなたも二番目の動画の通行人の人々と同じように、面白い見物だと感じ、笑ったであろうか。もしそうなら、僕は、笑うあなたと、笑う通行人と、そして暴力警官に対して、恥を知れと言おう。

 これは明白なヘイトクライムである。被害を受けたクルド人男性の話と動画にも残っているように、彼は何もしていない。言葉の強さや調子、更に横柄なその態度を見るならば、二人の警官こそ、暴行と強要の現行犯ではないか。そしてこの二人の警官がこんな暴力を働いたのは、結局、相手が外国人であったからとしか思えない。仮にクルド人男性の位置に日本人がいたとしたら、どうだろう。点数稼ぎに車を止めたりすることはあるかもしれないが、ここまで酷い態度と行動をとれたであろうか。また通行人も、あのように楽しそうに笑ったであろうか。

 警察をはじめとする行政機関が、外国籍住民に対して、このように人権を無視した差別的態度をとるのは目新しいことではない。

 例えば「制圧後にブラジル国籍男性死亡 警察官2人を書類送検」(https://www.kanaloco.jp/article/entry-215868.html)。

 また入管収容所内でも死亡事故はその数も悪質さも凄まじい。「入管施設での外国人死亡は餓死 入管庁「対応問題なし」」(https://www.asahi.com/articles/ASM9Z771QM9ZUTIL06Z.html

 仮に死亡するまでいかなくとも、入管の「管理」体制自体が被収容者の基本的人権を無視しているとしか思えない。「東京入管、コロナ対応めぐり「女性収容者」へ虐待か…シャワーに乱入、下着のまま独房に押し込める」(https://news.yahoo.co.jp/articles/40d8d1d13ea20d7a35311b076918c783ad9b4e69

 そしてそのように外国籍住民に人権を認めないという姿勢は、日本社会全体にも広く蔓延してしまっている。以下ヘイトスピーチ注意。Twitterで「外国人 権利」で検索しヒットしたものを適当に拾ったもの。リンクは張りません。

 「外国人が「嫌い」だから、日本人と同じ権利を与えない。 ではなく 外国人が「日本国籍を持ってない」から権利を与えない。」「先に言っときますが私は結構過激です。国に帰れってよく言います。これをヘイトスピーチと捉える人は話にならないのでフォローしないでください。迫害するつもりはないし、外国人の権利は認めます。ただこの国を陥れる為にきた/文句しか言わない害国人に帰ればいいのでは?って言いたいだけ。」「今でも、中国人に限らず、国益に沿わない外国人は帰国させて欲しい! 「税金払ってます」? 当たり前やん💢 権利を主張するなら、祖国で主張しなさい!って言いたい! 本当に外国人は要らない!」「種のことなど考えても無かった、日本人と日本に住む外国人、日本のルールで暮らしているところに、人種人種と騒ぎ立てて、人種を理由にルールを書き変えさせようとする、それこそレイシスト 日本人は日本しか母国がない、外国人は外国に母国がある、その大きな差異があるのだから、権利の差は当然」

 また元在特会会長桜井誠(高田誠)が立ち上げた排外・人種主義団体「日本第一党」は、その「政策」に「外国人の国民健康保険への加入を制限します」「外国人に対する生活保護を廃止します」「国内の外国人及び外国人団体による政治活動に対して厳しい罰則制度の制定に取り組みます」「外国人留学生に対する奨学金制度を廃止します」などを掲げている。そしてそれを選挙の場において繰り返し煽動し、外国籍住民を日本社会から排斥せよと、ヘイトスピーチを撒き散らしている。

 


 今回の出来事と、それを異なるアングルから撮影した二つの動画。これらは、日本社会のレイシズムゼノフォビア―そしてそこから必然的に出来するヘイトクライム―が、制度的にも社会的にも、非常に強固に、深く深く根を張り、広く浸潤していることを露呈させた。またこれらは、日本社会で言われる「グローバル化」や「多文化主義」という言葉など、非常に浅薄で不十分なものでしかないことを明らかにした。現代日本において現実にメジャーなものは、「排外主義」と「人種主義」である。そしてそれは制度的にも社会的にも、強固な基盤を持っている。

 警察とヘイトクライムは対立するものではない。それどころか、相互に支えあっている。警察がヘイトクライムを為し、ヘイトクライムが警察の「治安維持」の業務となるよう、社会が求める。それが今回の、この許しがたい不正義の現場から見える日本の未来だろう。

 このような不正義の現場ではなく、正義の現場、正義を為す現場をこそ、日本社会において出現させなければならない。真に「グローバル化」なり「多文化共生」を為すのであれば、正義の現場が不正義の現場を取り囲み、不正義を叩き出し、不正義の現場を正義の現場として、取り返さなければならない。

 これを投稿する2020年5月30日、今回の事件に抗議するデモ  #0530渋谷署前抗議 が行われる。15:00にハチ公前集合。詳細👇  ( https://twitter.com/dabbawalasuzuki/status/1264871422914002948?s=20 https://twitter.com/dabbawalasuzuki/status/1265707783879450625?s=20

 行ける方は是非足を運んでほしい。この動画を見るまで知らなかった、そんなあなたにこそ行って欲しい。当事者の方も来られるということなので、撮影に関しては顔をなるべく映さないようにしてほしい。しかしそれ以外は、色々と話を聞いてみるのも良いだろう(礼儀知らずにならない範囲で!)。それはちょっと恥ずかしい...という方も、大切なのは、とにかくその場にいること。その場にいることで、あなたも正義の現場を作り出している。そこにいることで、あなたは正義を実践しているのだ。

 京都から #0530渋谷署前抗議 に連帯します。熱くなるそうなので、皆さん水分補給と服装にはお気をつけて。初めてデモに行くよ!という方、もしいらっしゃれば、外国籍住民と共に在ることで、どのように街の景色が変わって見えるか、いつか何かしらの形で聞かせてもらえたらと、そう願います。
#社会
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